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ケーシングの主要産地
ケーシングの原料資源である家畜は、世界中のいたるところで飼育されています。
主要輸入国割合 |
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(財務省 通関統計による2007年実績) |
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中国は、我が国がもっとも羊腸を輸入している国で、2007年の羊腸輸入数量は883万ハンクスに及び、
豚腸の13万ハンクスを加えると全輸入量の73.7%に達します。日本のほかドイツをはじめ、ヨーロッパ各地への輸出も盛んですが、特に日本の市場を重要視しており、日本市場にあった製品の加工に努力しています。
広大な土地を有する中国では、緬羊は、主として牧草がよく茂った中国北部及び北西部の牧畜区域に、山羊の分布は比較的広く、主として山地や丘陵地帯に多くなっています。2006年度の飼育頭数を見ると、緬羊が約1億7千万頭、山羊が約1億9千万頭となっております。羊腸の加工は、もっぱら専門の業者によって行われます。
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山羊 |
緬羊 |
かつて羊の背にのった国といわれたこの国は、牧畜が盛んで、世界有数の牧羊の国でもあります。植民地建設のため、この新天地にやってきた最初の船隊に、30頭ほどの羊が積まれていましたが、その後メリノー種の羊を輸入し、これがオーストラリアの風土に合って、良質の羊毛がとれるようになってきました。当時母国イギリスの羊毛工業は重要な地位を占めており、オーストラリアは本国へ工業原料を供給するという要請を受けていました。今日、世界の牧羊の国に発展したのは、広大な草原があり、それに適合した品種が導入されただけでなく、そのような条件が大きく作用したといわれています。
オーストラリアには現在8,600万頭(2007)ほどの緬羊が飼われています。ここ数年の干ばつの影響で飼育頭数は減少傾向にあります。主な牧羊地域は、東部山地の西斜面から中東部低地、大陸南西部に分布しています。特に東部沿岸の多雨地域では、冷涼で多湿な気候が、肉用のラム(Lamb)の飼育に適するので、酪農地域では、肉羊の飼育も盛んに行われています。
ニュージーランドには北島と南島があります。北島には火山や温泉が多く、南島には非火山性の高い山地があり、氷河やフィヨルドも発達しています。気候は西海岸性で温和、「乾いた大陸」の隣に「緑の島園」を作っています。この国の貿易の姿は、オーストラリアに似ていますが、畜産品が輸出の中に占める地位は非常に高く、まさに「畜産王国」です。
ニュージーランドの羊腸の主力は、ラム(Lamb)腸です。これは羊毛を主としているオーストラリアと違って、子羊の肉を輸出することを主眼にしているためです。緬羊の飼育頭数は1982年の7,300万頭を最高にして減少し続け、現在は3,800万頭(2007)ほどになってしまいました。 ニュージーランドのラム腸は、成羊腸に比べ柔らかく弾力性が高いことから高い評価を得ています。
オセアニアの羊腸市場は、中国市場とはいろいろな点で異なっています。製造工程もその1つで、近代化されたと畜場をバックにしているので、衛生面、品質面で高い評価を受けています。
羊の遊牧が盛んな中近東の各国では、イスラム教徒が多いため、豚肉は食べず、従って豚肉が用いられる腸詰めもほとんど見られません。そのため羊腸はすべて輸出されています。 主な産地としては、トルコ、イラン、アフガニスタン、イラク、シリアなどがあります。
緬羊や山羊の原産地は中近東といわれるくらい、数千年も昔から緬羊は家畜として飼われており、今なお盛んです。これらの国を合わせると緬羊の飼育頭数はゆうに1億頭を超えます。
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